フリゲ感想「或る孤独なひとり」ワンマップに広がる静寂と孤独
「或る孤独なひとり」
製作者:ハタ イケダ様
10分ほどの短編。
「ひとりではない人の存在を知ったとき、私は心底孤独になる」
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静かな印象から、ノベルゲームに近いゲームかな?と思っていたらドット絵が
3Dでとてもよく動き、表情もあります。奥行きがあるのが新鮮でした。
ジャンルはサイコホラーですがそんなに怖くはないです。
ただ、迫ってくる「不安感」「孤独感」はすごい。
鳴り響く電話、過呼吸?の発作に襲われ画面が不穏に…薬を探して飲む。
そしてエンディング。
電話をかけていた人物が…
彼女の孤独は癒されるのか?
彼女に救いは…?
このゲームは凄いです…。クリアした後の余韻がもう…胸に穴が開くというか…
ある場面でハンマーで殴られたような衝撃&エンドロールで心臓がズタズタに
なりました。
エンディングは二つ。
自分はてっきりアイテムを調べる順番で分岐するのかと思い込んで
3周くらいしてしまったので条件書いておきます。
反転→最後の電話が鳴ってもバケツの薬を飲まない。
ていうか台詞にちゃんとヒントあった…
このもう一つのエンディングがまたいいんですよ。
タイトル画面に戻ってああ…と更に深い場所へ落とされたような気分になりました。
ピアノのエンディング曲が本当に綺麗で、
悲しい、憂鬱というよりどこまでも沈んでいくような気持ちに浸れる
素晴らしいゲームです。
後味の悪さより、美しさが勝っているような。
短い時間でこんなに心を掴めるのか…という
暗くて深くて底のない湖にひとつ石を投げこむ。
そんな余韻。
できれば静かな夜に是非プレイしてください。
ブラウザからもプレイ可能↓